COVID-19に刺激され、ラボ研究におけるデジタル技術の機運は高まっており、AI、ロボット工学、IoTセンサーを含む、ますます広範で強力なデジタルツールキットをもたらしている。
マサチューセッツ州ボストン、2021年11月4日- 技術を駆使した研究とイノベーションのアドバイザリーサービスを提供するラックス・リサーチの新データによると、研究室におけるデジタル技術の勢いは増しており、COVID-19の流行によってさらに加速し、チームは急速にデジタルツールを導入し、現在のプロセスを見直すようになった。
イノベーションとR&Dは多くの活動から構成されているが、ラックスの新しいレポート「The Lab of the Future」は、特にラボ研究を深く掘り下げ、主要なデジタル開発がどこで起こっているかを改めて考察している。このようなデジタルソリューションは、化学や製薬などラボ研究を多用する業界が、コスト上昇、環境要因、長い開発サイクル、情報過多などの新たな課題に加え、生産性の低下に直面し続けている時に登場した。
未来のラボのビジョンは過去数十年にわたり進化しており、個々の機器やプロセスは自動化や分析などのデジタルツールの恩恵を受けているが、ラボの研究は多くの人が予想したよりもはるかに変化していない。しかし、人工知能(AI)、ロボット工学、モノのインターネット(IoT)センサーのようなツールを含む、ますます広範で強力なデジタルツールキットにより、大幅に自動化され、効率的で効果的な未来のラボは、現実に近づいているかもしれない。1990年代後半に大々的な宣伝と活動が始まった後、ラボへのデジタルツールの応用に対する技術革新の関心は10年近く停滞していた。しかし、2013年頃から、イノベーションへの関心が着実に高まっており、この分野が大きな影響力を持つ段階にあることを示している。
研究室での研究を強化するために利用できるデジタルの使用例や技術は数多くあるが、それらは大きく3つのカテゴリーに分類される:
- モデリングとインフォマティクス - 機械学習のようなモデリングとインフォマティクスのツールを使って、開発と発見のプロセスを加速する。
- 例機械学習を使ってポリマーの特性をモデル化し予測することで、全体的なポリマー設計時間を短縮する。
- ナレッジマネジメント - 研究開発組織全体のナレッジを体系的に収集、分析、配布する。
- 例自然言語処理を使って公開文献をふるいにかけ、効率的な反応経路を特定する。
- ラボの自動化 - IoTやコネクテッドセンサーによるデータ収集やラボ管理だけでなく、ロボティクスによる物理的な実験の自動化。
- 例材料のハイスループット試験とスクリーニングを可能にするロボット工学の利用。
「各カテゴリーには独自の特徴があるが、カテゴリー間には重複と相乗効果がある。「例えば、ラボオートメーションは、実験データを収集するために使用することができ、それは、最終的に知識を生成するためにインフォマティクスシステムに供給することができる。
この3つのセグメントには、物性最適化のためのマテリアル・インフォマティクス、電子実験ノート、自動データ抽出ツールなど、企業が今すぐ採用すべき技術がある。また、量子コンピューティング、音声AI、クローズドループ自動化など、5年後、10年後に重要な役割を果たすであろう、企業が積極的に監視または探求すべき初期段階の技術や、この両極端の中間の技術も多数示されている。デジタルは製品開発プロセスの各部を最適化し、最終的には重要な競争優位性となるためだ。